PTケイマン社は、自動車やモバイル端末向けのエレクトロニクス関連部品の製造・販売を行うポリマテック・ジャパン(以下「PJ社」)等の100%子会社8社を有しており、積水化学工業はPTケイマン社の株式取得により、車輌・輸送分野等の事業拡大や、素材配合・加工技術等基礎技術の強化を図る。 なお、PTケイマン社の発行済み株式の積水化学工業取得予定分以外(発行済み株式の9%)については、化学専門商社の稲畑産業【8098】がPT Cayman Ⅱ Limitedから株式譲渡を受ける。
積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは、「車輌・輸送」を戦略分野と位置付け積極的に事業拡大を図るとともに、最近では、同じく戦略分野である「エレクトロニクス」分野との人材・知見の融合による「カーエレクトロニクス領域」の製品開発や市場の調査・開拓にも注力している。 一方化学品専門商社である稲畑産業においても近年自動車関連分野での事業拡大を図っており、共同で投資を実施することで、両社の強みを活かしながらPJ社グループの企業価値を効果的に向上させることができると考え、今回の共同買収に至った。
自動車及びエレクトロニクス用途の高機能樹脂加工製品の開発・製造に強みを持つ積水化学工業とPJ社は、相互に有する経営資源を活用し事業拡大を図る。具体的には次の事業展開やシナジーを期待している。
(1)カーエレクトロニクス領域への展開加速
カーエレクトロニクス領域においては、積水化学工業が得意とする表示デバイス材料に加え、PJ社が高い知見と技術力を有する放熱材料においても、今後積水化学工業との融合により展開を加速していく。
(2)研究開発面でのシナジー
PJ社が有する「シリコーンやエラストマーの高度な材料配合設計技術及び生産技術」や「各種樹脂と金属の異素材複合成型技術」と積水化学工業技術の融合により、研究開発の促進を図る。
(3)マーケティング面での協業シナジー
両社の有するグローバル拠点を活用し、自動車・エレクトロニクス両分野でのマーケティング強化を図る。
(4)商流面での補完シナジー
稲畑産業を含む3社の有する販売網を活用し、自動車・エレクトロニクス関連製品の既存製品の拡販を図る。