小学校予定地の国有地払下げ問題などで前理事長が国会に証人喚問された学校法人森友学園は、4月21日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は中井康之弁護士(堂島法律事務所)。
森友学園は、1953年4月創業、私立幼稚園「塚本幼稚園幼児教育学園」運営の学校法人。愛国心を育む目的で園児に教育勅語を暗唱させるなど独特の教育方針で知られていた。2010年3月期は、園児数300名、年収入高約3億円を計上していた。
しかし、近年は少子化の影響で園児数が減少、2014年3月期は年収入高約2億円まで落ち込んでいた。このような苦しい状況が続くなか、小学校の開設を計画。豊中市の国有地に「瑞穂の國記念小學院」の建築に着工、2017年4月の開校を目指していたが、017年2月、小学校建設予定地の国有地が安価で払い下げられていることが発覚。小学校開設の認可や予定地払下げに絡み、安倍首相や昭恵夫人らの関与疑惑が浮上、3月23日に籠池泰典前理事長が国会で証人喚問される事態に発展、それに先立つ3月10日、認可申請の一時取下げを表明、12日に財務省から買い戻し特約に基づく更地の土地返還を求められるなど、資金繰りが急速に悪化していた。その後も小学校の建築代金の支払いが遅れたことで、施工業者から幼稚園の土地建物の仮差押えを受けたほか、請負代金請求訴訟を起こされるなど状況が悪化の途をたどるなか、自力での再建を断念、今回の措置となった。
東京商工リサーチ及び帝国データバンクによると、負債総額は推定で20億円。