医療情報専門サイト「m3.com」等を運営するエムスリー【2413】は、英国の医療機関向け従業員就業時間スケジュールソフトウェア「RotaMaster」を買収したと発表した。
エムスリーは英国においては英国医師の約8割が会員となっている Doctors.net.uk(以下「DNUK」)を運営し、このプラットフォームを活用し調査、広告等のサービスなどを展開している。
今回買収する「RotaMaster」は英国の医療機関向け従業員就業時間スケジュールソフトウェアで、医師および医療従事者のスキルプロファイルと就業希望時間、Availabilityをもとに、自動的に医療施設のワークシフトをスケジューリングする。空きシフトの可視化と効率的な手当てが可能なことから、時間外診療を運営する施設の63%で導入されており、この分野で圧倒的なシェアを誇っている。
英国の多くの医療機関はこのソフトウエアを活用しながら、時間外の診療シフトを自院のスタッフを中心に埋めて行くが、埋められないシフトに対しては外部の斡旋業者に医師の確保を依頼する。このシフト斡旋の市場規模は、斡旋業社の手数料だけでも約600億円となる。
今回の「RotaMaster」買収により、エムスリーは英国におけるGP(総合診療医)を中心とした医療施設との関係性を構築するとともに、「RotaMaster」によって可視化された空きシフト情報とDNUKに登録している8割の英国医師のマッチングを行うサービスなども今後検討していく予定。