持株会社の宝ホールディングス(以下「宝HD」)【2531】は、オーストラリアの日本食材卸会社であるNippon Food Supplies Company Pty Ltd(以下「ニッポンフード社」)の実施する第三者割当増資を引受けると発表した。今回の第三者割当増資引受により、宝酒造が所有するニッポンフード社の議決権の割合は51.0%となる予定で、ニッポンフード社はの宝HDの連結子会社(特定子会社)となる。
宝HDグループは、2011年4月から10年間の長期経営ビジョンにおいて、『国内外の強みを活かせる市場で事業を伸ばし、環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立する』ことを目指している。さらに、この長期経営ビジョンの実現に向けた実行計画の第2ス テップとして策定した3ヵ年の中期経営計画では、『国内では収益力の向上、海外では事業の拡大・伸長に取り組むとともに、バイオ事業の成長加速により、環境変化に強いバランスのとれた事業構造に変革していく』ことを基本方針に、「欧米をはじめとする世界での日本食材卸網構築」を重点戦略の一つに掲げ、取り組みを進めている。
宝HDグループの中核を担う宝酒造グループは、2010年4月にフランスの日本食材卸会社であるFoodex S.A.S.の株式を取得し、海外日本食材卸事業に参入した。その後、2013年9月には、イギリスのTazaki Foods Ltd、2014年3月にはスペインおよびポーランドで事業を展開するCominport Distribución S.L.、そして2016年7月にはポルトガルのKeta Foods, Ldaを相次いでグループに迎え入れるなど、欧州での日本食材卸ネットワークの拡大を進めている。また米国でも、2016年11月に長年の協力関係にあったMutual Trading Co., Incの第三者割当増資を引き受け、グループに迎え入れた。
今回、オーストラリア有数の日本食材卸会社であるニッポンフード社をグループに迎え入れることで、欧州・米国での事業拡大とともに重要な戦略テーマの一つであったアジア・オセアニア地域への進出を実現することになる。世界での日本食市場の広がりを背景に、宝HDグループは今後も日本食材卸ネットワークの構築・拡大を積極的に進め、日本食文化を世界に広めることを通じて、さらなる事業の拡大と企業価値の向上を図っていくとしている。