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TDK、米国のInvenSense社を子会社化 事業規模拡大へ

電気機器製造のTDK【6762】は、慣性センサのグローバルカンパニーである米国InvenSense, Inc.(以下「InvenSense社」)の株式を取得し、完全子会社とすると発表した。なお、取得価額は約1570億円。

TDKは現在、中期経営計画において、自動車、産機・エネルギー、ICT(情報通信技術)を重点3領域と位置づけて注力しており、これら重点領域を通しIoT領域における事業機会を獲得すべく鋭意事業拡大を進めている。特に、「センサ・アクチュエータ」、「エネルギーユニット」、「次世代電子部品」の3製品を戦略成長製品と位置づけ、成長投資を積極的に行い事業拡大を図っている。このうち、センサ・アクチュエータは、IoTには欠かせない重要なデバイスであり、TDKはセンサ事業を大きく発展させ、顧客に幅広いセンサソリューションを提供することを目指している。今回、慣性センサのグローバルカンパニーであるInvenSense社を買収することによって、TDKのセンサ事業は、製品・技術の双方においてポートフォリオが拡充され、IoT・車載向けを含めたラインアップの増強が可能となり、また、革新的な次世代製品とソリューションを創出するセンサ製品ロードマップの促進が可能となる。加えて、複数のセンサ技術とソフトウェアを組み合わせ、より高い付加価値を有する製品を提供するセンサフュージョンにより、更なる事業機会も狙うことができるとしている。

InvenSense社は、世界に先駆けて6軸・9軸センサ、センサソリューションを手掛けてきた慣性センサの企業であり、慣性・圧力・音声・超音波センサ技術に基づく幅広いポートフォリオを展開しているファブレスメーカーである。同社は、独自のCMOS・MEMS製造プロセスにより、ハイパフォーマンスを低コストにて実現してしていること、また、ソフトウェアやアルゴリズムを自社で開発することでよ り付加価値の高いソリューションを提供していることから、スマートフォンやウェアラブル機器、ゲーム機器、カメラの手振れ補正等のコンシューマー機器で多くの取引実績を築き上げてきた。今後は、インドアナビゲーション、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、ADAS(先進運転支援システム)の需要拡大を筆頭に、ICTに加えてIoTや産業機器、自動車といった領域においても成長が期待されている。

TDKのセンサ事業については、長年、HDD(ハードディスクドライブ)の製品開発で蓄積した薄膜磁性技術を応用した磁気センサを中核とし、現在、事業拡大を図っており、今回の買収は、InvenSense社が保有する先進的な慣性センサ技術と、TDKが強みを持つ磁気・圧力・温度・音声センサといった幅広いポートフォリオを組み合わせることで、幅広い技術・製品ラインアップを顧客へ提供することが可能となるだけでなく、複数のセンサにより出力されたデータを組み合わせたセンサフュージョン、ソフトウェアを組み合わせたセンサソリューション等の、より高い付加価値のある製品を生み出すことが可能となるもの。

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