アサヒビール、アサヒ飲料などアサヒグループの純粋持株会社であるアサヒグループホールディングス(以下「アサヒグループHD」)【2502】は、Anheuser-Busch InBev SA/NV(以下「AB InBev社」)との統合前にSABMiller plc(以下「SAB社」)が保有していたチェコ、スロバキア、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア(以下「中東欧5カ国」)事業、及びその他関連資産(以下「対象事業」)の取得に関して、AB InBev社と株式売買契約を締結したと発表した。
アサヒグループHDは、新たに更新した『長期ビジョン』における事業の将来像として、「酒類を中核とする総合飲料食品グループとして、国内では、高付加価値化を基軸とするリーディングカンパニーを目指すとともに、日本発の『強み』を活かすグローバルプレイヤーとして独自のポジションを確立する」ことを掲げている。また、『長期ビジョン』の実現に向けた『中期経営方針』では、「国内収益基盤の盤石化と国際事業の成長エ ンジン化による『稼ぐ力』の強化」を重点課題の一つに掲げ、海外を中心とした新たな成長基盤の獲得を目指している。
こうした戦略の一環として、本年10月には、SAB社のイタリア、オランダ、英国事業及びその他関連資産を取得し、「Peroni」、「Grolsch」といったグローバルプレミアムブランドを中心として、西欧における強い事業基盤を獲得している。
本件取引は、同じく統合前のSAB社が保有していた中東欧5カ国の事業会社、及び「Pilsner Urquell」をはじめとする有力ブランドの知的財産権を取得するものであり、西欧事業との親和性も高く、欧州全体に強固な成長ネットワークを築くことが可能となる。
対象事業は、ピルスナービールの元祖である「Pilsner Urquell」といったグローバルブランドを有していることに加えて、一人当たりのビール消費量が世界で最も多いチェコをはじめ、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアでトップシェアとなっており、強い事業基盤を背景とした高い収益性を持つ事業群となる。
こうした事業及びブランドの買収により、「Super Dry」、「Peroni」、「Grolsch」などと合わせて、有力なプレミアムブランドを軸として成長するグローバルプレイヤーとして、独自のポジションの確立を目指していく。
また、日本に次ぐ事業規模となる欧州内でのシナジー拡大などによりキャッシュフロー創出力を高めていくと共に、国内で培ったブランド力やコスト競争力などの「強み」を融合していくことで、国際事業の「稼ぐ力」を高めていくとしている。