トヨタ自動車【7203】の子会社であるトヨタホームは、トヨタホームとミサワホーム(以下「対象者」)【1722】との間における資本業務提携契約の締結並びに対象者の普通株式を公開買付けにより取得すること及び対象者が実施するトヨタホームを割当先とする第三者割当増資を引受けると発表した。
トヨタホーム(以下「公開買付者」)は、連結子会社15社及び関連会社3社において、住宅建築用部材等の製造・販売、戸建住宅の設計・施工・請負・監理等や不動産の売買等を行っている。
対象者は、平成15年8月に、旧ミサワホーム、ミサワ東洋、東京ミサワホーム、及びミサワホーム東海による株式移転により設立され、対象者及びその連結子会社41社並びに関連会社4社(以下「対象者グループ」)は、「住まいを通じて生涯のおつきあい」という精神の下、顧客視点を重視し、事業展開を図ってきた。
公開買付者と対象者は、平成17年3月31日に、公開買付者の親会社であるトヨタ自動車が、対象者との間で結んだ資本提携契約が契機となり、後に資本関係を結ぶに至った。
両社を含む住宅メーカーは、長期的な人口減少やそれに伴う国内住宅市場の縮小などによる住宅業界を取り巻く厳しい経営環境や、従来の新築重視から空家対策・リフォーム等の既存の住宅の有効活用を図るストック重視へのシフト、環境対策の規制強化などの国や社会の変化への対応が必要となっている。このような両社の置かれた住宅事業の事業環境を踏まえ、資本関係の強化を含む連携の強化が必要との考えに両社が至り、平成28年3月上旬から、資本関係の強化を含む具体的な方策についての検討を両社間で開始した。
その結果、このような事業環境において更なる成長のためには、新築戸建の商品力・販売力の強化、リフォームを中心とした既存の住宅の有効活用を図るストックビジネスの強化、高齢者住宅等の新たな領域への進出などが必要であり、技術面、人材面、資金面などの観点で単独での対応は難しく、従来以上に対象者との連携を強化していくことが最良であると判断し、本取引によって公開買付者が対象者を連結子会社化することが、両社間の円滑かつ迅速な協力関係の下、両社における技術・ 商品開発、資材調達、生産・物流、システム等の統合又は相互活用や少子高齢化社会に適合するコンパクトシティ型不動産開発事業や海外事業等新規事業分野のノウハウの共有などの各施策を実施すること を可能とし、ひいては、公開買付者、対象者グループ及び公開買付者グループの企業価値及び株主価値の向上に資するものであるとの結論に至ったもの。
なお、 連結子会社化に向けた具体的な方法としては、第三者割当増資を実施し、対象者が資金調達をすることにより、対象者の財務基盤を強化しつつ、対象者が新規事業として取り組むコンパクトシティづくりに係る設備投資の資金需要を満たすことが可能となり、対象者の収益拡大、ひいては企業価値及び株主価値の向上に資することとなることから、公開買付けのみならず、同時に第三者割当増資を実施するとしている。