海運大手の川崎汽船【9107】、商船三井【9104】、日本郵船【9101】の3社は、新たに定期コンテナ船事業(海外ターミナル事業含む)統合を目的とした合弁会社を設立し、3社の定期コンテナ船事業を統合すると発表した。
定期コンテナ船事業は、成長産業であるものの、ここ数年は貨物需要の成長が鈍化する一方で、新造船竣工による船腹供給が増加し、需給バランスが大幅に悪化。結果、市況の低迷が続き、収益の安定的確保が困難な状況となっている。これを受けて、昨年来、業界内では買収、合併など、運航規模拡大により競争力を高める動きが顕在化し、業界の構造自体が大きく変わろうとしている。
このような業況の中、3社は定期コンテナ船事業を安定的かつ持続的に運営するために、対等の精神に基づいて、同事業の統合を行うことを決定したもの。
新設する合弁会社では、3社のベストプラクティスに基づくシナジーの創出と、合算船隊規模140万TEUに上るスケールメリットの活用により、年間約1100億円の統合効果実現を見込み、早期の収益安定化を目指す。また、グローバルな組織体制と定期コンテナ船ネットワークをさらに充実させ、顧客ニーズにより高いレベルで応えるべく、高品質かつ競争力のあるサービスを提供したい考え。