大手総合商社の三菱商事【8058】は、欧州で電力関連のトレーディングおよびサービス事業を展開するエレクトロルート(以下「ER」)に資本参画すると発表した。英国100%子会社で欧州・中東地域にて電力事業を展開するダイアモンド・ジェネレーティング・ヨーロッパ(以下「DGE」)を通じ、ERの株式60%を取得する。
ERは、2011年にアイルランドで設立されて以来、欧州8か国にて電力スポット・先物・国際間取引、グリーン証書取引等のトレーディング事業、および発電者や需要家に対して総合的な電力取引支援サービス事業を手掛けている。同社の経営陣は電力市場取引の知見が豊富であり、独立系業者として取引規模を拡大してきた。
昨今、環境意識の高まりから、欧州を中心に再生可能エネルギー電源の普及が進んでいる。天候等の影響を受ける電源が増加することで、電力市場における需給調整機能の重要性が高まることが予想される。
三菱商事は、今回、ERへ資本参画することにより、今後拡大が見込まれる電力トレーディング事業および総合的な電力サービス事業に新規に参入し、同機能を強化していきたい考え。
またERは、今後、三菱商事が有する電力分野におけるネットワークを活用しながらサービス対象地域を広げ、取引を拡大していく予定。