電子計測器メーカーのアンリツ【6754】は、セルラー、Wi-Fi、IoTなどへのワイヤレス・パフォーマンス・テストソリューションベンダーである米国のAzimuth Systems, Inc.(以下「アジマスシステム」)を完全子会社化すると発表した。
アンリツは、3G/4G向けの計測ソリューションでは自社開発したフェージング・シミュレータ(無線通信機器の移動や時間経過により、無線通信機器での電波の受信レベルが変動する現象をシミュレーションする機器)を組込み、モバイル端末向けビジネスを展開。
一方アジマスシステムは、2002年に設立された、チャネル・エミュレータ(無線通信機器やシステムを評価するために必要な無線伝搬環境を提供する機器)に強みを持つ、アメリカ、ボストン近郊に拠点をかまえる企業である。モバイル通信の基地局ベンダーを始めとして、通信キャリア、チップセットベンダー、端末ベンダーへ、無線伝搬環境試験をエミュレートするためのチャネル・エミュレータを開発・販売している。
今回の完全子会社化により、5Gにおいては、アジマスシステムのチャネル・エミュレータ技術と自社技術を統合させ、ビジネス展開を図るもの。さらには、5G規格策定にも関わっているアジマスシステムと協働して、基地局からセルラー端末までの測定ニーズをつかみ、顧客へのソリューション提案を充実させたい考え。