「クールジャパン」の海外進出促進を目指す官民ファンドの海外需要開拓支援機構(以下「クールジャパン機構」)は、様々な日系外食企業に対し食肉等の生鮮食材や熱加工食材を供給するアトムとともに、台湾・中国における食材加工事業に取り組むため、約3億円の出資を決定したと発表した。
日系外食企業にとって、海外で事業展開するためには、信頼できる食材サプライヤーとの協業が不可欠となる。しかしながら海外では、日本との食文化の違いもあり、店舗に納品される食材の品質や、重さ・サイズ等の規格に厳密ではないサプライヤーも多く、日系外食企業が求める食材を安定的に調達するのは困難なのが実情である。
こうした中、アトムは国内では福岡市内に、海外では台湾・米国・タイに工場を保有し、とんかつ、焼き肉、ラーメン、居酒屋等、様々な業態の日系外食企業の国内外店舗に対し、各社の求める品質や規格にきめ細かく対応した生鮮食材や熱加工食材を供給する事業を行っている。
クールジャパン機構は、このアトムとともに台湾・中国における食材加工事業の拡大に取り組むため、約3億円の出資を決定。両社が共同出資で設立するジョイントベンチャーを統括会社として本事業を運営するもの。
本事業では、アトムの食材加工工場を台湾・中国で新増設し、同地域に店舗展開する日系を中心とした外食企業向けに、食材の調達から外食店舗で最終調理する直前までの工程を一気通貫で引き受け、各社の求める品質や、重さ・サイズ等の規格にきめ細かく対応した生鮮食材や熱加工食材を供給する。これにより、日系外食企業の同地域への進出を促し、供給先を今後5年間で200店舗にすることを目指すとともに、アジア他地域、米国、欧州でも同様の取組を検討する考え。