総合商社の三井物産【8031】は、世界最大手の自動車プレス部品メーカーであるスペインのGestamp Automoción社(以下「GA社」)に、出資参画することに合意したと発表した。
三井物産の支払額は416百万ユーロ(約470億円)で、 株式売買契約書の締結及び関連許認可等の条件を充足後、GA社創業家持株会社であるACEK Desarrollo y Gestión Industrial社(以下「ACEK社」)との間で新設する特別目的会社Gestamp 2020社を通じ、間接的にGA社株式の12.525%を取得する。尚、最終的な三井物産の支払額は、今後のGA社の業績に応じて調整される。
GA社は1997年の創業以来、主に欧米系自動車メーカー向けに自動車ボディ及びシャシ等の構造部品に代表されるプレス部品の製造・販売を手掛けている。自動車メーカーのグローバル展開に合わせて事業成長し、全世界の製造拠点は20か国101か所(含む計画中)、研究・開発拠点は12か所を有し、2015年の売上高/EBITDAでは自動車向けプレス部品分野で世界最大級となっている。また、自動車メーカーに幅広く採用されているホットスタンピ ングにおいては世界最高水準の技術を持ち、高い環境性能(自動車の軽量化による低燃費化)や安全性の実現に貢献している。
三井物産は、「モビリティ」を攻め筋と位置づけ、2013年のGA社の米州(米国、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン)事業会社群への参画以来、同社との連携を強化してきたが、今回GA社本体に出資参画をすることで、米州のみならず全世界ベースでの自動車メーカーのニーズを捕捉し、高機能素材市場の成長を取り込むことが可能となる。また、三井物産が長年に渡り築き上げてきた自動車鋼材供給サービス機能を通じ培った知見や顧客基盤、更には異なる素材を扱う営業本部間での連携による相乗効果を発揮することで、GA社の収益基盤を強化し、三井物産及びGA社の企業価値の向上を目指すとしている。