鉄鋼、食品、石油などの分野の事業を国内外で展開する商社の阪和興業【8078】は、中国大手ステンレスメーカーである青山鋼鐵集団が主導するインドネシア・スラウェシ島でのニッケル銑鉄製造メーカーPT.INDONESIA TSINGSHAN STAINLESS STEEL(以下「ITSS」)に一部出資したと発表した。
ステンレス鋼に添加剤として使用されるニッケルは、ニッケル鉱石最大生産国インドネシアの未加工鉱石禁輸政策の影響により、構造的な供給不足が今後継続すると見られている。中国でのステンレス鋼生産は2001年の100万tから2014年には2200万tまで急拡大しており、その要因としては、建築、工業設備、家庭用品等分野での需要の拡大と、ステンレス鋼原料としてのNPI(ニッケル銑鉄)という新たな供給源が誕生したことが挙げられる。
新会社ITSSは、阪和興業が2014年に出資したニッケル銑鉄製造プロジェクト第二期PT.INDONESIA GUANG CHING NICKEL AND STAINLESS STEEL INDUSTRYに続く、第三期プロジェクトに当たる。
第二期は無事稼働、安定生産の軌道に乗っており、ニッケル純分ベースで年間6万トン、第三期も同じく年間6万トンを予定。第三期プロジェクトは2017年4月の生産開始を目指している。