総合商社の三井物産【8031】は、炭素繊維などの複合材料を使用する自動車構造材設計・エンジニアリング分野のリーディング企業であるドイツのForward Engineering GmbH(以下「FE」)への出資参画に合意するとともに、FEと業務提携契約を締結したと発表した。
世界的に温暖化対策が喫緊の課題となっており、自動車を中心とした輸送機器のエネルギー消費削減に向けた解決策の一つとして軽量化が重視され、今後は炭素繊維など軽量化素材を使用した部品市場が急速に拡大すると予測される。こうした中、FEは量産車の軽量化を切り口に、複合材料を用いた車体開発の設計・エンジニアリング業務を展開しており、豊富な実績を有している。
三井物産は同事業分野で、2015年4月、金沢工業大学の革新複合材料研究開発センターと複合材料研究に関する協力協定書及び機械貸借契約を締結し、炭素繊維複合材料による自動車部品等製造の新製法に関する共同開発を開始。また、2016年3月にノルウェーの炭素繊維強化圧力タンクメーカーであるHexagon Composites ASA及び韓国の炭素繊維加工メーカーである韓国カーボンの株式取得を行うなど、グローバルに炭素繊維関連事業の拡大に取り組んでいる。
三井物産とFEは、今回の資本業務提携を通じ、自動車の軽量化ニーズに応えるべく、炭素繊維などの複合材料を用いた車体軽量化設計・エンジニアリング事業をグローバルに展開し、自動車領域での炭素繊維市場拡大を加速化させると共に、輸送機器分野における温暖化ガス排出削減の課題解決に貢献したい考え。