大手総合電機メーカーのソニー【6758】と電子部品製造の村田製作所【6981】は、ソニーグループの電池事業を、村田製作所グループが譲り受けることを内容とする意向確認書を締結したと発表した。今後、両社は更なる協議を経て、2016年10月中旬を目途に本件取引に関して法的拘束力を有する確定契約を締結することを目指す考え。
本件取引の対象となる電池事業の具体的な範囲については、ソニーの国内100%子会社であるソニーエナジー・デバイスが営んでいる電池事業、ソニーが電池事業に関して中国及びシンガポールに有する製造拠点、ならびにソニ ーグループが国内外に有する販売拠点及び研究開発拠点のうち電池事業に関連する資産や人員を対象とすることを想定しているが、現在ソニーブランドで展開されているUSBポータブル電源やアルカリ乾電池、ボタン・コイン電池、モバイルプロジェクター等の一般消費者向け販売事業に関しては対象としない予定。
ソニーは、1975年より電池事業を営んでおり、1991年にはリチウムイオン二次電池を世界に先駆けて商品化した。現在にいたるまで主にエレクトロニクス製品のキーデバイスとなる各種の先進的な電池を開発し、その事業を展開してきた。
村田製作所は、電子部品事業におけるリーディングカンパニーの一つで、通信市場での競争優位の追求と注力市場である自動車、ヘルスケアとならび、エネルギー分野において、新たなビジネスモデルや顧客価値の創出に努めている。
両社は、双方のポートフォリオ戦略上の観点に加え、電池事業の競争力を高め、持続的に成長させていくこと、またそのための適切な投資を実施していく ためには、ソニーの培ってきた電池事業の技術力と事業経験を村田製作所が継承し、村田製作所グループにおいてこの事業を実施すべく協議を進めていくことが適切であると判断したもの。