持株会社のソフトバンクグループ【9984】は、英国の半導体設計大手であるARM Holdings plc(以下「アーム」)を約3兆3000億円で買収すると発表した。
ソフトバンクグループは、スマートフォン用CPU(中央演算処理装置)などに広く使われるアームの半導体技術を取り込み、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT事業の布石にする狙いがあるとみられる。
アームは半導体の設計に特化した企業で、米クアルコムや韓国サムスン電子など世界の半導体大手を顧客に抱える。スマホのCPUや通信用半導体の9割以上に使われており、15年3月期の売上高は9億6830万ポンド(約1350億円)にすぎないが、純利益は3億3970万ポンドと売上高に占める比率が35%に達し、純利益も2年間で3倍強に急成長している。
18日に会見したソフトバンクの孫正義社長は「アームは中核的事業になる」と述べた。
一方で、携帯電話などソフトバンクとの既存事業との相乗効果については「将来的に色々な可能性があり得るレベル」とも話し、当面は本業との関連性は薄いとの認識を示しており、経営面ではアームの「独立性を維持したい」と説明。孫氏自身は「中長期的な戦略に関わっていきたい」と、一定の関与にとどめる意向を示した。