持株会社のTANAKAホールディングスは、グループの中核会社として産業用貴金属事業を展開する田中貴金属工業が、スイスを拠点に貴金属の回収精製事業などを行う貴金属精錬会社Metalor Technologies International SA(以下「Metalor」)の発行済み株式の100%を取得すると発表した。
田中貴金属工業は、自動車、通信機器、家電製品、エネルギー、半導体など各種産業で欠かすことのできない、貴金属を材料に用いた製品の開発・販売及び、スクラップからの貴金属の回収・精製などを行っている。
Metalorは、スイスを拠点に高純度貴金属地金を中心とした回収精製事業、銀合金材料を使用した電気接点事業、貴金属を使用した表面処理(めっき)薬剤・装置事業などをグローバルに展開する企業である。回収精製事業では北米・欧州・アジアなどに拠点を持ち、各国で貴金属を含有するさまざまな材料の回収精製を行っている。また、電気接点事業は独自の技術により欧州を中心に高い評価を得ているなど、グローバルなネットワークと優れた技術力を有しており、表面処理関連事業においても、田中貴金属工業が参入していない欧州の装飾分野に独自のポジションを築いている。
今回、Metalorを子会社化することにより、北米・欧州・アジアなど田中貴金属工業の回収精製拠点のない地域での事業拡大、Metalorが有する優良顧客に対する製品の販売加速、両社それぞれが得意とする電気接点分野、並びに表面処理分野を最適に組み合わせることで、顧客ニーズに適した製品の販売拡大を図るもの。これにより、欧州・北米を中心としたグローバルな事業基盤の拡充や、成長性・収益性の伸展を目指していく。