安藤工業所は6月20日までに事業を停止し、事後処理を横野崇司弁護士(横野崇司法律事務所)他1名に一任、自己破産申請の準備に入った。
安藤工業所は、昭和62年設立の自動車部品加工業者で、地元岡山の自動車部品メーカーの下請として、三菱自動車工業(以下「三菱自動車」)向けの座席用フレームの溶接加工等を手掛け、設備投資にあわせて処理能力を高め、業容を拡大してきた。三菱自動車関係の受注全体の約80%を占めていたが、以前から採算性は低調に推移していた。
このような状況の中、今年4月20日に三菱自動車の燃費データ改ざん問題が発覚。同社水島製作所の軽自動車生産がストップしたため、三菱自動車関連の受注がなくなり、経営環境は大幅に悪化した。
三菱自動車以外の取引先からの受注により事業維持を模索してきたが、金融債務が重く資金繰りの目処が立たなくなり、事業の継続を断念した。
帝国データバンクおよび東京商工リサーチによると、負債総額は2700万円。
なお、三菱自動車の燃費データ偽装を受けての企業倒産が判明したのは、この安藤工業所が初となる。