基礎化学品やファインケミカル、機能材料などの開発・製造を行う三菱ガス化学【4182】は、機能化学品事業や医薬事業を手掛ける日本化薬【4272】と、バイオ後続品を含む抗体医薬品の国内製造を行う合弁会社「カルティベクス」を設立したと発表した。
現在、国内外の医薬品市場において、抗体医薬品を中心とするバイオ医薬品が大きく伸長、抗体医薬品は従来の低分子医薬品に比べて、有効性と安全性に優れているため使用機会が増加傾向にある一方で、製造や開発に多大なコストがかかり、高額な薬価が患者個人および医療保険に負担となっている。さらに、日本はバイオ医薬品の多くを輸入に頼っており、高品質なバイオ医薬品を国内で製造し、安定供給体制を整備することは大きな課題となっている。また近年、特許満了を迎えたバイオ医薬品の後続品(バイオシミラー)が欧米を中心に開発され、その一部は国内でもすでに承認・販売されている。これらはジェネリック医薬品と同様に価格を抑えたものとなっており、今後一層の普及が期待されている。
三菱ガス化学および日本化薬は、両社の知識と経験を融合させた新会社を設立し、バイオ後続品を含む抗体医薬品の製造および企画開発・受託事業を本格的に展開することで、生産の強化および製造技術の蓄積と進展を目指すとともに、我が国におけるバイオ後続品の普及に努めるもの。