港湾運輸事業大手の宇徳【9358】は、宇徳及び子会社である宇徳流通サービスが、ジャパンエキスプレス(以下「JEX」)及び同社子会社であるジャパンエキスプレス梱包運輸(以下「JEX梱包運輸」)が運営する事業の一部を譲り受けると発表した。なお、譲受価額は譲受価額は1,250百万円。
宇徳は港湾事業、プラント及び物流事業を核に事業を営んでいるが、物流事業については、一般貨物から各種大型プラント機器に至るまで多種多様な貨物を取り扱っており、そのサービスの範囲や品質に高い評価を得ている。しかしながら、重量物輸送を除いて競合大手と比較し規模的な見劣りは否めず、宇徳UTOCビジョン2020を達成するために、最も強化しなければならない事業分野と認識している。
一方、JEXは、1927年に船客送迎、旅客手荷物運搬を主業務として会社を設立、現在は旅客手荷物運搬から発展した海外引越事業の他、倉庫保管、通関、国際輸送等の物流事業を展開している。同社の物流事業は幅広いサービスメニューを保有しているものの、個々の規模が小さく、物流業界の競争が激化するなかでコスト競争力を維持するためには、規模の拡大が必須となっている。
宇徳とJEXは共に商船三井の連結子会社であり、両社とも海上及び陸上輸送に係わる物流事業を営んでいるが、それぞれの得意分野、事業分野で独自に企業発展に取り組んできた。しかしながら、日本の人口減少や高齢化が進んでいくなか、個人消費は回復の兆しがみえず、一般貨物の貿易量も頭打ちの状況にあることから、物流を取り巻く環境は更に厳しくなることが予想される。このため、グループとしての物流事業をどう発展させるかという長期的視野から、JEXの物流事業を宇徳に集約し、宇徳の事業基盤を強化することが双方にとってメリッ トがあるとの判断に至ったもの。宇徳はJEXより海外引越事業を除く全事業、宇徳流通サービスはJEX梱包運輸より国内及びオフィ ス引越事業を除く全事業を譲り受けることにより、宇徳の物流事業のサービスメニューの充実、規模の拡大が期待でき、顧客に評価される事業を展開することにより企業価値の極大化を図るとしている。