エムシーエル(旧:ミヤオカンパニーリミテド)は5月6日、津地裁より特別清算開始決定を受けた。
エムシーエルは、昭和6年創業の老舗の陶磁器メーカーで、「ミカサブランド」をはじめとする高級洋食器を手掛け、米国を中心とした海外市場にも出荷、ピークとなる平成5年12月期には売上高約64億8700万円を計上していた。
近年は、マレーシアの海外子会社経由で製造コストの圧縮を図りつつ、電子レンジやオーブン用のターンテーブル、炊飯器用セラミック釜、IH対応の土鍋など取扱製品を拡大してきたが、安価な海外製品に市場を奪われ、また洋食器をセットで購入することが少なくなるなど苦戦を強いられてきた。
26年12月期には、円安傾向が業績に貢献し、売上高は前期比107%の23億3000万円に伸長したが、過去の向上投資や海外子会社への貸付負担、不良在庫の廃棄・評価損などから、約5億円の特別損失を計上、債務超過は14億円以上に膨らんだ。
27年12月期に入っても円安傾向を追い風に事業環境は持ち直しつつあったが、年商を上回る金融債務の圧縮や債務超過の解消は極めて困難と判断し、27年9月にスポンサー100%出資の新会社ミヤオカンパニーリミテドに、陶磁器製造販売事業を会社分割により譲渡。旧ミヤオカンパニーリミテドは現商号に変更、解散し、今回の措置となった。なお、マレーシアの海外子会社に関しても、スポンサーが買収している。
帝国データバンク及び東京商工リサーチによると、負債総額は約26億円。