粗鋼生産を手掛ける新日鐵住金【5401】は、鉄鋼業の日新製鋼【5413】の普通株式に対する公開買付け及び日新製鋼が新たに発行する日新製鋼株式を新日鐵住金が引受ける第三者割当増資の組合せにより、新日鐵住金による日新製鋼の発行済株式総数の51.0%に至る取得を目指すと発表した。日新製鋼は、この公開買付けに賛同の意を表しており、買付け等の価格は、1株あたり1620円の予定。また、第三者割当増資による調達価額は、155045百万円。
現在、鉄鋼業を取り巻く国内外の事業環境は極めて厳しく、日新製鋼は、国内薄板事業の重点化・強化策と呉製鉄所第2高炉休止を伴う鉄源工程の合理化策を検討するとともに、新日鐵住金に対し、継続的な鋼片供給についての検討を申し入れ、両社で協議した結果、新日鐵住金が競合関係にある日新製鋼への継続的な鋼片供給を実施するためには日新製鋼の子会社化が必要であること、この厳しい事業環境を乗り越え、競争力のある事業基盤を維持・構築するためには、各々の経営資源を持ち寄り、相乗効果を創出することが必要であるとの共通認識に至ったもの。
両社は、各々がこれまでに培ってきた経営資源を持ち寄り、相乗効果を創出することで競争力を高め、新たに日新製鋼を加えた新日鐵住金グループとして『総合力世界No.1の鉄鋼メーカー』の地位を強化し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るとしている。
なお、今回の取引後も日新製鋼株式の上場は維持する方針。