自動車車体用のプレス金型を製造・販売を行う富士テクニカ宮津【6476】は、鉄鋼メーカーである東洋鋼鈑【5453】が2回にわたって行った公開買付けにより、富士テクニカ宮津の株式の議決権所有割合の99.02%を所有し、特別支配株主となるに至り、富士テクニカ宮津の株式の全てを取得し完全子会社化することを目的として、富士テクニカの株主の全員に対して、株式の全部を東洋鋼鈑に売り渡す旨の請求(以下「本売渡請求」)をすることについて通知を受け、それを承認したと発表した。また、本売渡請求の承認により、富士テクニカ宮津の株式はJASDAQの上場廃止基準に該当し、5月23日をもって上場廃止となる予定。
東洋鋼鈑は、昭和9年に日本で民間初のぶりきメーカーとして創業。表面処理鋼板のパイオニアとして、アルミや樹脂等鉄以外の分野への進出も果たし、東洋鋼鈑グループにおいては、鋼板関連事業、機能材料関連事業等を主な事業としている。一方、富士テクニカ宮津は、自動車車体用プレス金型業界に属し、昭和32年の設立以来、一貫して日本のモータリゼーションとともに歩み、国内外の自動車メーカーに自動車車体用のプレス金型を製造・販売している。
東洋鋼鈑としては、富士テクニカ宮津を完全子会社化することで、今後も成長と技術革新が続くことが見込まれる自動車産業分野への事業拡大を図ることが可能となり、また、富士テクニカ宮津が一部を外注先に委託している自動車用プレス金型の部品加工を東洋鋼鈑グループにおいて内製化することで、業績の向上を図ることが可能と判断したもの。