電気機器製造会社のTDKとルネサスエレクトロニクス(以下「ルネサス」)およびルネサスの100%子会社であるルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング(以下「RSMC」)は、RSMCの鶴岡工場(山形県鶴岡市)をTDKに譲渡し、TDKがこれを譲り受ける旨の基本合意書を、本年11月27日に締結したと発表した。
ルネサスおよびRSMCは、2013年8月に発表した「当社グループが目指す方向性」において、鶴岡工場(当時のルネサス山形セミコンダクタの鶴岡東工場、5インチウエハー製造ライン)について、「今後2から3年以内に集約を予定」とし、本年度末までの集約を目指し準備を進めてきた。
一方、TDKは、磁性素材技術をベースに電子部品事業を中核事業としており、世界的な普及が継続しているスマートフォンなどの「ICT分野」、ハイブリッド車や電気自動車を含む「自動車分野」、風力発電や太陽光発電などの「産業機器・エネルギー分野」を重点3市場分野とし、それぞれの市場向けに電子部品事業を中心に事業ならびに収益の拡大を進めている。現在、重点3市場分野を中心にTDKの強みを発揮した薄膜製品需要が増加しており、旺盛な市場需要にタイムリーに対応するため、RSMC鶴岡工場を取得するに至ったもの。
今後3社は、最終契約を2016 年2月末を目処に締結することを目標に、譲渡期日や鶴岡工場の従業員の承継(再雇用)を含む詳細な条件について協議していくとしている。