第一中央汽船は、9月29日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。また、100%子会社であるパナマ共和国のSTAR BULK CARRIER CO.,S.A.も同日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請。申請代理人は、福岡真之介弁護士(西村あさひ法律事務所)ほか。
第一中央汽船は、鉱石や石炭、ボーキサイトを中心に木材や穀物等の撒積貨物、鉄鋼製品、原油などを扱い、外航不定期航路部門では大手として、日本と中国の内外航海上輸送を行い、多種多様な輸送貨物に対応してきた。世界的に船舶量が増加するなか、2008年3月期の年収入高は約1666億2700万円を計上。
しかし、リーマン・ショック後の受注減少、燃料費の高騰、円高の影響等で経営状態が急速に悪化し、2010年3月期の年収入高は約1007億7100万円に減少。その後は円安進行による円換算での業績押し上げもあり、2013年3月期の年収入高は約1292億4600万円に持ち直すが、為替変動や燃料高に加え、保有船舶の減損損失や造船契約の解約金等の特別損失を計上したため、約323億100万円の当期純損失を計上。筆頭株主の商船三井が増資に応じるほか、投資ファンドなど複数の支援を得て再建を進めていたが、市況の悪化や過年度の設備投資負担が経営を圧迫し、今回の措置に至った。
東京商工リサーチ及び帝国データバンクによると、負債は2015年6月末時点で第一中央汽船が、約1196億800万円、STAR BULK CARRIER CO.,S.A.が約568億5900万円で、2社合計で約1764億6700万円。今年経営破綻した上場企業では最大となる。また、今後の民事再生手続きにおいて増加する可能性があると見られている。