国内生命保険大手の日本生命保険(以下「日本生命」)は、三井生命保険(以下「三井生命」)を買収する方向で最終調整に入ったとみられる。三井生命側も大筋で合意しているとされ、買収が実現すれば、第一生命保険を抜いて業界首位に立つ。
少子高齢化に伴う国内市場の先細りに備え、規模の拡大で生き残りを図る狙いがあり、両社は9月中の正式合意を目指す。国内生保では、明治生命保険と安田生命保険の合併で明治安田生命保険が発足した2004年以来の大型再編となる。
日本生命は三井生命に対して株式公開買い付け(TOB)を実施し、全株式を取得する方向で、買収額は2000億~4000億円で交渉を進めており、早ければ16年3月末までに子会社化する。なお、三井生命は日本生命の子会社となるが、三井ブランドは残す方向で調整している。三井生命の契約者は、契約内容などに影響はない。
生保各社は海外事業を強化する一方、国内では利益を上げるためのシェア拡大が不可欠となっており、今後他の大手生保も再編に動く可能性がある。