(株)日立製作所【6501】は、英国運輸省の都市間高速鉄道計画(以下「IEP」)向けに製造している車両「クラス800シリーズ」を公開した。
日立は2012年に、イギリス政府から老朽化による866両の更新ならびに27年間にわたる車両保守点検の事業を受注しており、今回は全122編成を製造するという。公開された新型車両の「クラス800シリーズ」は、電化区間および非電化区間も走行することが可能で、車両の床下にディーゼルエンジン付き発電機を装備。将来、電化区間が拡大した場合に対応できるよう、ディーゼルエンジン付きの発電機は取り外しができるという。「クラス800シリーズ」の旅客鉄道輸送サービスは、2017年より走行開始を予定しており、ロンドンの街を走る。
日立は、今回の大規模な受注の他にも、イタリアの航空大手のフィンメカニカの鉄道事業を買収する方向で動いていることが分かった。日立は、フィンメカニカの鉄道車両と信号事業を取り込む。また、高速鉄道以外にも、2014年10月にオランダの鉄道運行会社「Abellio社」から、標準型近郊車両「AT-200」234両(70編成)の納入ならびに長期保守契約の優先交渉権を獲得しており、製造のみならず鉄道事業に係る信号事業、保守事業なども含めた総合的な鉄道事業を構築し、成長が見込まれる海外での鉄道事業の拡大と強化を図り、収益向上をつかむ狙いだ。日立は、売上高を、1682億円(14年度)から 16年度には、2400億円にするとしており、ヨーロッパを中心とした全世界の鉄道事業に力を入れていくとしている。