(株)ファーストカスタムは、11月1日、事業を停止し、破産手続きを野中信敬弁護士ほか2名(大島総合法律事務所)に一任した。
ファーストカスタムは、自動車板金塗装業を目的に設立され、平成5年頃からキャンピングカーの製造業に変更。当時の年間売上高は、1~2億円であったが、画期的なデザインのキャンピングカーや高い製造技術が評判を呼び、業容を拡大し、22年6月期の売上高は約8億8000万円を計上した。
その後も東京モーターショーへの出店等を機に、中国のディーラーとVIP向けカスタムカーの大口契約を締結し、24年には台湾に合弁会社を設立して製造工場を設けるなど、海外への進出も果たした。25年6月期には売上高約19億6600万円を計上。
しかし、事業の拡大による人件費の負担や仕入資材の高騰を受けて経営は悪化していた。26年6月期は、中国向けの出荷が好調で売上高は約23億4300万円と伸ばしたが、約3億3100万円の赤字を計上する形となり、決済が困難な状態に陥り、今回の措置に至った。
東京商工リサーチによると、負債総額は債権者355名に対し約15億6600万円(平成26年6月期決算時点)。