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神戸製鋼所、Novelisと韓国でアルミ合弁会社設立 投資額350億円

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国内鉄鋼メーカー大手の神戸製鋼所【5406】は、韓国において、Novelis Inc. (以下、Novelis)の100%子会社であるNovelis Korea LTD.(以下、Novelis Korea)と、アルミ板圧延品を製造する合弁会社を設立すると発表した。

Novelis Korea が、韓国ウルサン市に保有するウルサン工場を現物出資し、新会社を設立、神戸製鋼所が新会社の株式50%を315百万ドル(約350億円)でNovelis Koreaより取得することで、合弁事業化する。

新会社は生産機能のみを有し、販売は各親会社が独立して行う。神戸製鋼所は、新会社で製造した母材(冷間圧延品)を、日本の真岡製造所(栃木県真岡市)および神鋼汽車鋁材(天津)有限公司(中国天津市)へ供給する予定。

世界的な環境規制の強化を背景に各自動車メーカーが車体軽量化の動きを加速させており、自動車用アルミパネル材は、今後大きな需要の拡大が見込まれている。神戸製鋼所は、中国におけるアルミパネル材の需要拡大を見据え、昨年1月に中国でアルミパネル材専用の製造拠点となる神鋼汽車鋁材(天津)有限公司を稼働させた。

また、国内においても、アルミパネル材の需要拡大に加え、缶材等のコア事業についても堅調な需要が見込まれている。今後アジアで大きく伸長するアルミ材需要に対応する為、神戸製鋼所はこれまで安定的な母材供給能力の確保について検討を進めてきた。

一方、Novelisは、グローバルに展開する世界最大手のアルミ板圧延企業。今回の合弁事業の対象となるウルサン工場は、Novelisのアジアにおける主要生産拠点のひとつであるが、稼動率向上や固定費圧縮等によるコスト競争力強化を課題としていた。アジアでの安定的な供給能力確保を課題としていた神戸製鋼所と、ウルサン工場の効率的運営による競争力強化を検討していたNovelisのニーズが合致したことから、今回、合弁事業化が実現した。

神戸製鋼所は、2016~2020年度中期経営計画において、「輸送機軽量化への取組み」を成長戦略の柱の一つとして位置付けており、アルミ・銅事業部門は、昨年4月に米国で自動車向けアルミ押出・加工品の製造・販売会社Kobelco Aluminum Products & Extrusions Inc.を設立し、今年4月には米国の自動車サスペンション用アルミ鍛造部品製造・販売会社Kobe Aluminum Automotive Products, LLCの生産設備増強を決定した。今回の投資もこの成長戦略に沿ったものであり、飲料缶やディスク材他の既存コア事業の継続強化に加え、アジアで伸長するアルミパネル材の需要を確実に取り込むことで、アルミ板事業の強化を図っていく。