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富士フィルム、再生医療ベンチャーのレグセル社へ1.7億円出資 再生医療分野研究開発加速へ

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富士フィルムホールディングス【4901】グループの富士フイルムは、免疫細胞を活用した新たな医療技術の実用化を目指す再生医療ベンチャーのレグセルの第三者割当増資を引き受け、同社に1億7千万円を出資し、また、今回の出資にあたり、レグセル社と再生医療製品の開発支援を行う業務提携を行ったと発表した。

今回の資本・業務提携を通じて、免疫細胞治療の最先端技術へのアクセス、さらにはその応用展開を図り、自社再生医療製品の研究開発を加速させていく。さらに、今後、グループ会社のジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(以下J-TEC)を通じて、レグセル社より細胞培養プロセスの開発や薬事コンサルティングなどを受託する。

レグセル社は、自家制御性T細胞および他家iPS細胞由来キラーT細胞を用いた免疫細胞治療の画期的な技術を開発し実用化することを目指す再生医療ベンチャー企業。

世界的に著名な免疫学研究者である、坂口志文教授(大阪大学名誉教授 兼 京都大学名誉教授)および河本宏教授(京都大学 ウイルス・再生医科学研究所教授)から、高品質なT細胞を増殖・作製する技術を導入している。今後、本技術を活用して、数年内に免疫細胞を用いた再生医療製品の臨床開発を実施予定。
現在、T細胞を用いた免疫細胞治療は、副作用が少なく高い効果が期待できることから、研究開発が活発化しており、なかでも、制御性T細胞を用いた治療は、リウマチなどの自己免疫疾患や生体移植時の免疫拒絶に対する新たな解決策となり得ると考えられている。また、キラーT細胞を用いた治療は、がんへの高い治療効果が見込まれており、他家iPS細胞を用いることにより優れた利便性が期待されている。そのため、これらの治療に対する研究開発に注目が集まっている。

富士フイルムは、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーである米国子会社Cellular Dynamics International, Inc.(セルラー・ダイナミクス・インターナショナル、以下、CDI社)を通じて、加齢黄斑変性、網膜色素変性、パーキンソン病、心疾患、がんの領域で、iPS細胞を用いた細胞治療の研究開発を推進している。
また本年1月には、再生医療製品の研究開発を加速するため、オーストラリアの再生医療ベンチャーCynata Therapeutics Limited (サイナータ・セラピューティクス、以下、Cynata社)へ出資している。Cynata社は、GvHDの患者を対象に、他家iPS細胞を用いた再生医療製品の臨床試験の開始を予定しているなど、世界最先端の取り組みを進めている。なお、本臨床試験では、CDI社が提供したiPS細胞が使用される。

富士フイルムは、長年の写真フィルムの研究で培ってきた高機能素材技術やエンジニアリング技術と、グループ会社のJ-TECの治療用細胞の生産技術、CDI社の世界トップのiPS細胞関連技術・ノウハウを融合し、再生医療分野の研究開発をさらに推進していくことで、再生医療の産業化に貢献していく。