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神戸製鋼、スウェーデンのIP装置の世界トップメーカーを130億円で買収

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鉄鋼メーカー大手の神戸製鋼所【5406】は、等方圧加圧装置※1(略称:IP装置)の世界トップメーカーであるスウェーデンのQuintus Technologies AB(以下、「Quintus社」)をその親会社である米国ファンドのMilestone Partners社から買収し、完全子会社化したと発表した。
取得価格は、US$115million(日本円で約130億円)。

IP装置は、金属やセラミック、カーボンなどの素材を高圧・高温(又は常温)環境下において等方圧で加圧焼結または成形する装置であり、航空機部品や発電用タービンブレード、半導体関連素材などの高機能製品に幅広く適用されている。
Quintus社は世界のIP装置市場において、トップメーカーであり、今後伸張が期待される航空宇宙分野を中心に、欧州・米国で圧倒的なプレゼンスを発揮している。今回の買収により、神戸製鋼所は世界市場をターゲットにさらなる事業拡大を目指す。

神戸製鋼所の機械事業部門は、中期経営計画において、IP装置事業を含む産業機械事業の更なる高収益化を目指している。神戸製鋼所IP装置事業は、産業機械事業部のメニューの中では、比較的高収益な事業であるが、日本を始めアジア市場を中心に直近5ヵ年で平均約30億円の売上高に留まっており、更なる市場拡大が課題となっていた。
今回のQuintus社買収により、新たな製品群と成長市場を獲得でき、事業の大幅な拡大が期待でき、更に、製造メニューの相互移管や購入品の共同調達等による生産効率化・コストダウンを実施するなどのシナジー効果も期待できる。これらを基に神戸製鋼所IP事業は、グルーバル市場をターゲットに今後もさらなる拡大を目指していく方針。

※1 等方圧加圧装置
等方圧加圧装置(Isostatic Press)は被処理体の全ての部位を均等に加圧するプレスの一種で、均質性、強度、耐久性などに優れた高品質の製品を作ることができる。圧力媒体にガスを利用する熱間等方圧プレス(通称:HIP)と液体を利用する冷間等方圧プレス(通称:CIP)に大別される