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アルミスラグ製造加工のエヌエー工業、特別清算を申請

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エヌエー工業(旧:日本圧延工業)は、10月31日神戸地裁伊丹支部へ特別清算を申請した。申請代理人は、池上由樹弁護士(堂島法律事務所)。

エヌエー工業は、昭和10年の設立以来、一貫してアルミニウム関連製品の製造を手掛け、アルミニウム及び同合金の連続鋳造熱間圧延コイルや板を製造するほか、高速プレスにより打ち抜かれたスラグ、それらの加工品なども製造していた。同社の製品は、コンデンサーケースやHDDのハブ材、自動車部品など幅広い用途で使用され、アルミスラグ製品では国内シェア70%以上を占めるトップメーカーになっていた。昭和57年頃に新設した滋賀工場では積極的に機械設備を導入、高い技術力と生産能力から大手優良企業を中心に受注基盤を構築し、ピーク時の平成2年11月期の売上高は69億953万円を計上していた。

しかし、中国・韓国などの低価格製品との競合激化、リーマンショックの影響による自動車・電機・電子業界向けの受注の大幅減少などから24年11月期の売上高は約28億円にまで落ち込む。また、工場の生産効率悪化や設備投資に伴う借入金、円高による原料価格高騰などが重荷となり、26年11月期まで4期連続で当期純損失を計上していた。

この間、大幅なリストラに加え、生産設備の見直しや新規取引先の開拓などに努め27年11月期は黒字に転換した。しかし、金融債務負担は解消されず、28年4月、非鉄総合商社である川嶋をスポンサーとした事業再生支援計画に合意。会社分割により新会社を設立し、8月1日に事業を譲渡するとともに、商号を日本圧延工業から現商号に変更、9月30日の株主総会決議により解散していた。

帝国データバンク及び東京商工リサーチによると、負債総額は金融債務のみ約54億4700万円。